ウェブのJIS規格改正について 「JIS X 8341-3:2010」 Comment

1:23 AM on 2010年7月12日 , , , , , ,

今日、名古屋国際会議場で行われた『WCAN 2010 Summer』に参加してきました。

WCAN 2010 Summerその中で、ディレクターとして特に重要だなと感じたポイントだけご報告。
(いい話はいっぱいあったのですが全て書ききる気力が無いので・・・)

[SESSION-3] 改正迫る『JIS X 8341-3:2010』徹底解説
?整いました! JIS改正、そのココロは??

株式会社インフォアクシア 代表 植木 真氏

  • 一応当日使用されたスライドのデータは配布されてるのですが、勝手に再配布したりDounloadURL掲載して良いかどうかの確認が取れてないので抜粋して紹介します。
  • 自分にとって重要・ポイントであるという項目を抜粋して紹介しているので、植木氏の伝えたい事とは異なる場合があります。

はじめに

ウェブアクセスビリティと言うと、視覚障害者を想定する事を連想してしまうが、高齢化社会により、より一層配慮する重要性が高まっています(既に2005年の時点で成人人口の50%は50歳以上!)。既に2004年6月にJIS X 8341-3が公示されており、官公庁の案件等では、この「JIS規格のガイドラインに“適合”するように」という指定がされている事が多いのですが、これが今回の改正でどう変わるのか?というポイントが話されました。

曖昧な表現からテスト可能な表現へ

JIS2004年度版では『普及・啓蒙のための指針』であったものが、2010年版では『試験・評価可能な達成基準』になったようなニュアンスです。

例えば色のコントラストに関する要件で言うと・・・

2004年版
5.5 c)画像などの背景色と前景色とには,十分なコントラストを取り,識別しやすい配色にすることが望ましい。
5.6 c)フォントの色には,背景色などを考慮し見やすい色を指定することが望ましい。

             ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

2010年版 “WCAG 2.0のテスト可能な新しい基準を採用”
7.1.4.3 最低限のコントラスト-等級AA
テキストおよび画像化された文字の視覚的な表現には、少なくとも4.5:1のコントラスト比をもたせる。

と、言ったように、明確な数値による記載を主体とするようになり、人によって解釈が違ったりするグレーゾーンが狭まったという事が言えます。

色のコントラスト比ってどうやって測るの

下記のツールによって色のコントラストを測る事が出来ます。
『カラーコントラストアナライザー』

ちなみに“音のコントラスト”とかもあるようです。メインの話に対する雑音の比率みたいな感じですね。初めて知りました。

アクセシビリティ達成等級

これはクライアントとのやりとりの上で知っておかなくてはいけない重要なポイントだと思います。
2010年改正版ではA、AA、AAAという3つのアクセシビリティ達成等級というものが存在します!

と、なると、クライアント心理としては当然「最高級のAAAで!」という指定をしたくなると思います。
しかし『AAAに適合させる』という約束・契約をするべきではないという話をされました。

そんなAAAの基準例
・音声付映像の手話通訳
・音声付映像の拡張した音声ガイド
・中学校教育レベルの読解力
・色のコントラスト比が7:1

と、いう具合に、デザインに制限が発生しすぎたり、“特定にコンテンツにはこの基準はあった方がいいよね”っという項目などが含まれているので、現実的に不可能なレベルが多いので、出来る項目についてはやった方がよいが、無理して拘るのは絶対に推奨しないという事でした。

自己適合宣言について

さて、JIS規格に準じたサイトを制作した場合、クライアントによってはその事をウェブサイト上に表記するように指示される事があると思いますが、2010年版の適合について、その達成をアピールするには

  1. 試験結果の表示
  2. 自己適合宣言

の2種類があります。ただし、自己適合宣言は、もっと議論や情報整備が必要で、現実的にはまだ困難との事。
しかし「JIS X 8341-3:2010に適合」というのは「JIS Q 1000に基づいた自己適合宣言を行うこと」であり、適合していない箇所があれば法律違反になるので、受注する際にはクライアントにしっかり確認すること!
「適合」=自己適合宣言のことを指しているのか?
「準拠」=何をもって“準拠”とみなされるのか?
「対応」=何をもって“対応” とみなされるのか?
クライアントの担当者は単に知らずに「適合」と言う可能性が高いので、そういう会話や記載がある場合は、よく説明する必要がある。

よって、2010年版への達成をアピールするには「試験結果の表示」が望ましい。
試験結果に関する詳細は『箇条8』に書いてあるそうです・・・。
たぶん2010年版の箇条8に記載してあるという事だと思います。

規格本文は抽象レベルの高い記述になった

JISの2004年度版では『こんな書式で制作しなさい』みたいなニュアンスで書いてありました。
しかし、技術がどんどん変わるWEB業界ではとても対応出来ないんですよね。
例えば、2004年版の規格に沿って、現在ウェブサイトを制作すると、時代遅れの記述方法になったり、本当は別の書き方もあってそちらの方がユーザーに優しいのに、“JISの指定にしなさい”という事態になってしまってました。
そこで、新しいJISでは『ユーザーにとって利用しやすいように、こういう目標を達成してください。それを達成する手段(技術・構築方法)は制作者の責任で判断して実装してください。』
となったわけです。

最後に、2004年版のJISは日本独自の規格でしたが、2010年版はWCAG 2.0という規格とほぼ同じになり、世界標準の規格となります。制作者は『どんな実装方法をするのか?』を覚えるのではなく、その内容・意図をよく理解した上で、最適な実装方法を選択しましょう。

余談

単語内にスペースは入れない。
自分も特に意識せずにちょくちょく使ってしまいますが、例えば『東京』を『東  京』と書くと、音声リーダは「とうきょう」と読まずに「ひがし きょう」と読み、意味が伝わらなくなったり、検索エンジンも『東京』という単語で認識しないのでSEOとしても良くないと言う話も途中ありました。

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